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2007.07.02 Monday

「女神転生IMAGINE」の現金くじに係る少額訴訟 詳細が発表される

 おはようございます、さくっちです。

 6月27日記事において「女神転生IMAGINE」の現金くじに係る少額訴訟 棄却される」と紹介した件について、詳細が発表されました。
 ソース元:フォーチューン 女神転生IMAGINEの現金クジに10万つぎこんだ馬鹿の訴訟記録(゚∞゚)

 以下、ソース元より判決を転載します。
主 文

1 原告の請求を棄却する
2 訴訟費用は、原告の負担とする。

請 求
原告の被告に対する、被告運営のオンラインゲーム「女神転生IMAGINE」のクジ機能がついたカードゲーム」(以下「フォーチュンカード」という。)のなかで、「セブンス引換券」の当選確率が表示されていなかったことにより、原告が平成19年4月下旬ころから同年5月3日ころまでの間にくじにつぎ込んだ費用分の損害として10万円(1回100円の1000回分)の支払請求

理由の趣旨

1 原告は、被告運営のオンラインゲーム内のクジ機能を備えたカードゲームで「セブンス引換券」という賞品を当てることを目的として、1回100円のくじを1000回引いたが、1度も当たらなかったこと、また、その賞品の当選確率がほかの賞品の当選確率にくらべて極めて低いにもかかわらず、表示しなかった被告の運営に問題があったため、原告が10万円をフォーチュンカードにつぎ込むことになったことを主張する。

2 それに対し、被告は、請求原因のうち、原告がフォーチュンカードに10万円を使用したことに争いはないが、被告は、フォーチュンカードはオンラインゲームのシステムとして公正に運営されていて、欺罔のようなものはなかったこと、フォーチュンカードと同様のシステムを用いたサービスにおいても、特賞や確率などの表記はなされていないことが一般的であること、原告は、自己の判断によりフォーチュンカードに参加していること及び「セブンス引換券」はサービス開始日である平成19年4月27日から5月31日の間に当選が177本でており、原告がフォーチュンカードによって獲得した賞品は、本件オンラインゲーム内通貨を用いて現金で購入した場合、合計が19万5900円に相当することを主張している。

3 そこで、被告が、フォーチュンカードの対象賞品に特賞、及び確率を表記すべき義務があったのかどうか及び表記がなかったことにより、原告に損害があったかどうかについて検討する。

4 本件オンラインゲームの対象賞品に特賞や確率の表示をしていないことは、サイト運営として一般的であるとまで言えないまでも、特異な運営であるということはできず、そのことが欺罔にあたること及び虚偽の表示であることを認めるには足りる証拠はない。また、原告は、自己の判断に基づいて、本件オンラインゲームに参加し、自由な判断で行われたものと解するのが相当である。

5 原告の損害については、フォーチュンカードのシステムでは、何も当たらないといったことはなく、対象賞品(甲ー1)及びオンラインゲームにおいて提供するアイテム(乙4−2)のどれかが当選することになっており、原告がフォーチューンカードシステムによって、実際に獲得した賞品を本サイトの課金システムで計算すると、19万5900円の価値があることが認められる。原告が獲得した賞品を現実に現金に換金することは不可能であるが、オンラインゲーム上のトレードシステムやバザーシステムに参加することによって、物々交換が可能であることから、原告に損害が発生したということはできない。

 以上によれば、原告の請求に理由がないことは明らかであるからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。

 訴状を見ていないので何ともいえないのですが、上記の判決は非常に分かりやすいと思います。

4.「本件オンラインゲームの対象賞品に特賞や確率の表示をしていないことは、サイト運営として一般的であるとまで言えないまでも、特異な運営であるということはできず、そのことが欺罔にあたること及び虚偽の表示であることを認めるには足りる証拠はない。また、原告は、自己の判断に基づいて、本件オンラインゲームに参加し、自由な判断で行われたものと解するのが相当である。」

 これが全てです。現在のところ、クジの確率表示は義務付けられていません。
 「高確率で○○が当たる」という記載でもあれば別ですが、そのような表示も無い以上欺罔(ぎもう:人をあざむき、だますこと)や虚偽ではないとの判断です。

 原告側の主張は「その賞品の当選確率がほかの賞品の当選確率にくらべて極めて低いにもかかわらず、表示しなかった被告の運営に問題があった」というものですが、その主張は退けられています。

 個人的には、返金を求めるのであれば「錯誤無効による契約解除」を求める訴えを起こすべきと考えます。
 「全ての賞品が同様に並べられていることから、等しい確率(または、それに近い確率)で入手できると勘違いし、目的の賞品が当たらないはずは無いと考え、多額の金銭をつぎ込んだ」
 特賞・1等・2等といった表示が無いため、消費者側が事前に確率の差を知り得ることは無い、全て等確率であると勘違いして購入したものであり、契約は無効であるという主張です。(通るかどうかは分かりませんけど)

 訴訟の目的が返金ではなく「クジの確率表示」に関する様に思われるので、上記の「錯誤無効による契約解除」の訴えでは意味がなかったのかもしれません。「クジの確率表示」が無いことについては、多くの場所で問題視されていますが、現在のところ表示を求めることは難しいことが伺える内容です。

 くじに関しては、過去記事で考察したものがあります。参考程度に紹介します。
 2007年3月29日「オンラインゲームのクジ・懸賞と景品表示法について」 
 2007年3月30日「オンラインゲームのクジ・懸賞と「景品の価値」について
 2007年4月 2日「オンラインゲームの「クジ・懸賞」と「宝くじ」の違い 確率の表示について」 


 今回の訴訟に関して気になったのは、5の内容です。

 5.原告の損害については、フォーチュンカードのシステムでは、何も当たらないといったことはなく、対象賞品(甲ー1)及びオンラインゲームにおいて提供するアイテム(乙4−2)のどれかが当選することになっており、原告がフォーチューンカードシステムによって、実際に獲得した賞品を本サイトの課金システムで計算すると、19万5900円の価値があることが認められる。原告が獲得した賞品を現実に現金に換金することは不可能であるが、オンラインゲーム上のトレードシステムやバザーシステムに参加することによって、物々交換が可能であることから、原告に損害が発生したということはできない。

 昨年、メイプルストーリーで起きたポイントアイテム詐欺の有罪判決もそうでしたが、「現金を使って購入したゲーム内アイテムに財産的価値を認める」内容となっています。
 「原告が獲得した賞品を現実に現金に換金することは不可能であるが」と前置きしつつも、オンラインゲーム上のトレードシステムやバザーシステムにも言及しており、物々交換可能であるため損害は発生していないとしています。
 ゲーム内アイテムに財産的価値を認め、物々交換可能であるため損害は発生しないというのであれば、交換に用いられる仮想通貨や他のゲーム内アイテムの財産的価値はどのように扱われるのか、非常に興味深いところです。
 また、「獲得した賞品を現実に現金に換金することは不可能」としていますが、リアルマネートレード(RMT)によって換金可能な現状においては、その前提も危ういものがあるのではとも思います。

 この訴訟を起こしたcave2さんは、サイトの最後で次の様に述べています。
 取材を受けた際のつてでネット関係に強い弁護士を数人紹介してもらうことになりました。
 とりあえず相談の後、異議申し立てを行います。
 この判決では、通例であるから確立・等級等の表示は必要なく、運営側でいくらでもレアにあたるものを釣りとし好き勝手に確率をいくら低くいじろうと自由であり、プレイヤーにとっては極めて不利なものということになってしまいました。
 規制のない現状では、それが当然ということなのかもしれませんし、経費はすでに訴訟での要求額を超えそうですが、このような最悪の状況でネットゲームが運営されていくのはあまりにひどいと感じています。

 オンラインゲームの性質上か、今のところ相談した弁護士の方には基本的な内容からしてうまくつたわりませんでした。その方面に詳しい方を探しましたが見つけられませんでした。
もしこれをみて、異常であると感じた方、異議申し立てをともに行ってくれる、この方面に詳しい弁護士の方を紹介してくださる方がいらっしゃいましたら

********@********.co.jp

までご連絡いただけないでしょうか。
どうかよろしくおねがいします

 今後も訴訟を続ける模様です。詳しい方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡をお願いします。
 
 くじに関しては、現在のところ規制するものが見あたりません。(私が調べた限りにおいてです)
 一定の要件(本数・確率・順位等の表示)を満たさない場合は、危険性を指摘し不買運動等を行い問題点を知らしめていかなければ、現状を変えるのは難しいと感じました。
 不買運動として自らたちあがる方が果たして現れるかどうか、それにかかってくるのかもしれません。