2007.01.17 Wednesday

シリーズ「RMTについて考える」 第7回「アメリカ、韓国、そして日本。仮想通貨規制への模索(最終回)」

米国と韓国、2ヶ国の仮想世界の資産(通貨・アイテム)に係る取り組みは異なります。


本サイトでも取り上げましたが、1月4日フジサンケイ ビジネスアイにて
米議会、仮想世界の資産に課税 知的所有権保護も検討」という記事が掲載になりました。

内容は、米議会がインターネット上の仮想世界で生み出された利益に課税するための指針作りに動き出すというものです。と、同時に仮想世界で生み出された資産に対する知的所有権の保護についても検討していくというものです。

米国は、ソーシャル・セキュリティ番号(SSN)や個人納税番号(ITIN)等により、国民や納税対象者の個人情報が一括管理(この部分に関しては、いささか知識不足です)されていると思いました。このため、税制度の導入により、一定程度仮想通貨の流れも把握が可能となるのではと思います。

いわば、税制度の導入により、仮想世界の資産について監視可能な体制を取っていく。個人に対しては知的所有権を保護し、資産として認める方向で検討中ということではないかと感じています。


韓国では、昨年11月22日に「ゲーム産業振興法改正法案」を議会に上程したことを発表しています。
(4Gamer 2006/11/29[韓国ゲーム事情#624]韓国政府、RMTの法規制に動く)

これは、ネットゲーム内の仮想通貨や、ゲームサイト独自の仮想通貨、オンラインカードゲーム等のポイントの現金取引及びこれを仲介する行為全てを禁止する法案です。また、今回の法案では対象外となっていますが、ネットゲーム等のその他のデータ(アイテム等)取引についても、根本的な規制案を検討中とされています。

この改正案の背景には、韓国で起きたパチンコに係る一大問題があります。パチンコと同様に、射幸性を持つゲームとしてRMTを背景としたオンラインゲームを規制する動きとなった模様です。

ゲームという性質上、一定の確率で仮想通貨やアイテムの価値の増減があるのは当然です。ですが、そのことがRMTと結びついた事により換金可能となり、パチンコと同様に射幸性があるという判断になったのだと考えています。

韓国政府は、現段階ではゲームに限定しているものですが、仮想世界の資産については全面的に取引を禁止する方向性で検討を進めています。


米国と韓国、2つの国が取った仮想世界の資産についての取り組みは、大きく異なります。
「個人所有を認め、税制度の導入や継続的な監視を行い認める」
「全面的に取引を法規制し、現実世界への干渉を禁止する」

国内では、最近「ポイント商法ルール化へ、経産省が近く研究会(1/8 読売新聞)」とし、仮想通貨の一種であるポイントサービスについて研究が始まりました。

日本が今後どのような道へ進んでいくのかは、未だ定まっていません。今後の世論、利用者による実際の働きかけにより決まっていくと思います。

(シリーズ「RMTについて考える」は、今回をもって終了します)
(本サイトの今後のRMTに関する取り組み方針は、明日の記事に記載します)

2007.01.16 Tuesday

シリーズ「RMTについて考える 第6回「ネットワークと未成熟な子供達(下)」

こんばんは、さくっちです。今週1週間は出張です。現在FOMA64Kで、PHSが利用できないため明日の分を事前に更新しておきます。(更新日時を変更しています)

シリーズ「RMTについて考える」、第6回の今回は前回に引き続き「ネットワークと未成熟な子供達」と題して考えていきたいと思います。


前回の記事を作成するに当たり、未成年者のオンラインゲームに係る犯罪を調査したのですが、その数の多さに驚かされました。実際の被害報告との間に乖離があることから、表に現れているのは氷山の一角であり、実際にはより多くの加害者が存在していると思います。

オンライン万引きという表現が非常に近いのかもしれません。

ゲームという娯楽の分野。実際に商品を手にすることが無く、パソコンの操作だけで行える犯罪。店舗で行う窃盗とは異なり衆人環視の下に無い状況。被害者と一度も顔を合わせることが無いことから生まれる罪悪感の欠如。

挙げればキリがありません。実際の万引きよりも、未成年者が犯罪に及ぶ心理的ハードルは低いと考えています。現在は、技術的ハードルにより件数が低く抑えられていますが、爆発的に犯罪件数が増加するのも、現状のままでは時間の問題ではないでしょうか。

犯罪の動機の中に「お金が欲しい」「他者のアイテムが欲しい」と言ったような発言が見られるように、犯罪の動機については非常に稚拙なものです。

子供達は、ネットゲーム内のアイテムや仮想通貨がお金になることを知っています。そして、簡単に換金できることも知っています。それは、買い取りの際に身分証明書を求められず、誰とも顔を合わせる必要が無いからです。

万引きをした際の商品の買い取りには身分証明書が求められ、実店舗で店員と顔を合わせなければなりません。このことは、盗品販売を防ぐ一定の抑止力として働いていますが、RMTにはこの仕組みが存在しません。

また、商品が電子データであることから、盗品とそれ以外の物の区別もつきません。盗品販売等で取り締まることも困難です。被害者の救済についても、大きな障害として立ちふさがっています。

一般の商品と同様に、未成年者よりの買い取りは保護者の了承が必要。送金については、保護者の口座に送る等、犯罪を未然に防ぐ対策が求められます。未成年者は、保護者や大人が自己の行動に介入することを嫌います。であればこそ、介入する手段を講じるべきではないでしょうか。

今後、同様の犯罪は増加していくでしょう。技術的ハードルも幼少期よりパソコンに触れる機会が多くなるにつれ、徐々に低くなっていきます。既に、事前に犯罪の芽を摘まなければならない段階に来ていると考えています。

無限に生み出すことが可能な電子データに対し、子供達が犯罪意識を見いだすことが難しいのは理解出来ます。

一般ゲームの武器を市販の改造ツール等を使って作り出すことは犯罪ではありません。ですが、ネットゲームで同様の事を行えば犯罪行為です。そして、子供達の目には同じゲームとして見えているだけなのでは無いかと、そう考えるからです。


RMTとは少し離れますが、未成年者がネットゲームを介して犯罪被害者となる件については、既に一部の会社では対策を取っています。

任天堂が提供しているネットワーク接続型のゲーム(「おいでよ、動物の森」「マリオカートDS」)、ニンテンドーWi-Fiコネクションでは、不特定多数との接続が困難な仕様とされていたり、接続したユーザー間の会話が制限されていたりします。

これは、ゲームに携わる未成年者を犯罪から未然に防ぐための取り組みとして、非常に良い事例だと思います。

ネットゲームは、ゲームという娯楽の分野の性質上多くの未成年者が接続します。未成年者を保護するためには、大人として社会として、より積極的に取り組んでいく必要があります。少なくとも、現在のネットゲーム運営各社に見られるような、会話の内容を管理しない体制では難しいのでは無いでしょうか。

出会い系サイト規制法の適用は厳しいとは思いますが、何らかの形で規制しなければ被害に遭う未成年者は後を絶ちません。大人が子供を守るために何が出来るのか、考える時期が来ていると思います。


未成年者が加害者・被害者双方となることを防ぐためにも、RMTを始めネットゲーム全体に何らかの規制は必要だと思います。そして、この問題はネットゲームだけでなく、インターネットに関係する大きな問題として考えていかなければならないと考えています。


シリーズ「RMTについて考える」、次回第7回は最終回「アメリカ、韓国、そして日本。仮想通貨に係る法規制の道(仮)」についてです。

2007.01.15 Monday

シリーズ「RMTについて考える」 第5回「ネットワークと未成熟な子供達(上)」

こんばんは、さくっちです。シリーズ「RMTについて考える」も佳境に入ってきました。(後数回の予定です)
第5回の今回は「ネットワークと未成熟な子供達」と題して考えて行きたいと思います。この話は、内容が多岐に渡ることから2回に分けて連載します。

2000年から今日現在まで、ネットワークゲームに関係して未成年者が加害者となる事件が、下記のとおり相当な件数発生しています。

・未成年者が関わる加害事件(参考元:MMO総合研究所・MMO事件簿)
容疑 容疑者
2000年 05月 不正アクセス禁止法違反 中学2年生男子生徒(13)
会社員(23)
2001年 12月 不正アクセス禁止法違反
電子計算機破壊等業務妨害
中学1年男子生徒(13)
2002年 11月 不正アクセス禁止法違反 無職少年(19)
2003年 02月 不正アクセス禁止法違反 アルバイト店員少年(17)
    不正アクセス禁止法違反 中学3年男子生徒(14)
2004年 03月 不正アクセス禁止法違反 中学3年男子生徒(14)
    不正アクセス禁止法違反 高校男子生徒(16)
  04月 不正アクセス禁止法違反 高校1年男子生徒(15)2人
(犯行当時、中学3年生)
  05月 不正アクセス禁止法違反 中学3年男子生徒(14)
中学1年男子生徒(12)
  06月 不正アクセス禁止法違反 無職少年(17)
  07月 不正アクセス禁止法違反 中学3年男子生徒(14)
    不正アクセス禁止法違反 中学1年男子生徒(13)
  10月 不正アクセス禁止法違反 予備校男子学生(19)
2005年 05月 不正アクセス禁止法違反 アルバイト店員少年(15)
  06月 不正アクセス禁止法違反 高校男子生徒(15)
高校男子生徒(16)
  08月 不正アクセス禁止法違反 中学3年男子生徒(15)
  09月 不正アクセス禁止法違反 中学1年男子生徒(12)
(犯行当時、小学校6年生)
    不正アクセス禁止法違反 中学校男子生徒(14)
  10月 不正アクセス禁止法違反 高校男子生徒(16)2人
  11月 不正アクセス禁止法違反 高校男子生徒(18)
  12月 不正アクセス禁止法違反 専門学校男子学生(19)
パート従業員少女(18)
    恐喝 建築作業員少年(19)他2人
2006年 02月 詐欺 高校1年男子生徒(16)
    不正アクセス禁止法違反
私電磁的記録不正作出
同供用
中学2年男子生徒(14)
  03月 恐喝
不正アクセス行為禁止法違反
中学3年男子生徒(15)
  05月 不正アクセス行為禁止法違反 短大1年女子学生(18)
    不正アクセス行為禁止法違反
著作権法違反
中学3年男子生徒(14)
  06月 不正アクセス行為禁止法違反 高校男子生徒(16)2人
  07月 不正アクセス行為禁止法違反 高校3年男子生徒(17)
    不正アクセス行為禁止法違反 土木作業員少年(18)
    不正アクセス行為禁止法違反 中学1年生女子生徒(12)
  09月 不正アクセス行為禁止法違反 中学校男子生徒(15)
    詐欺 高校1年男子生徒(15)
  10月 不正アクセス行為禁止法違反 高校男子生徒(16)
中学校男子生徒(14)
2007年 01月 不正アクセス行為禁止法違反 中学生の少年の犯行とみて捜査中
綿密な調査を行っていないので、取りもらしもあると思いますが、中学生や高校生、中には小学生までが加害者となる事件が多発しています。

動機については、次のように語っています。
「アイテムが欲しかった」
「珍しいアイテムがほしかった、自分の技術を見せつけたかった」
「だますスリルがゲームのように楽しかった」
「ゲームのアイテムが欲しくてやったが、エスカレートして女の子を脅してしまった」
「『パス抜き』したらラッキーな気分になる」
「悪いこととは知っていたが、他人の持っている『アイテム』がほしかった」
「パソコンの部品などを買う金が欲しかった」
「架空の画面に金を使う気になれずやった」
「困らせるのが楽しかった」
「ゲームがしたかった」

善悪の判断が未熟であったり、自己の欲求を抑えられない内容が目立ちます。アイテムが欲しいとい、金が欲しいという欲求を果たすために犯罪に手を染めてしまう。そういった事例が後を絶たない模様です。

逆に、未成年者が被害者となる事件はどのようなものがあるのでしょうか。

こちらについては、報道されている件数があまりにも多く、正確な把握は困難です。

「出会い系サイト規正法」という法律について、耳にされた方も多くいらっしゃると思います。正式名称は「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」という長いもので、対象となる業種については限定されています。
インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、インターネット異性紹介事業を利用して児童を性交等の相手方となるように誘引する行為等を禁止するとともに、児童によるインターネット異性紹介事業の利用を防止するための措置等を定めることにより、インターネット異性紹介事業の利用に起因する児童買春その他の犯罪から児童を保護し、もって児童の健全な育成に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 児童 十八歳に満たない者をいう。
二 インターネット異性紹介事業 異性交際(面識のない異性との交際をいう。以下同じ。)を希望する者(以下「異性交際希望者」という。)の求めに応じ、その異性交際に関する情報をインターネットを利用して公衆が閲覧することができる状態に置いてこれに伝達し、かつ、当該情報の伝達を受けた異性交際希望者が電子メールその他の電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。以下同じ。)を利用して当該情報に係る異性交際希望者と相互に連絡することができるようにする役務を提供する事業をいう。
三 インターネット異性紹介事業者 インターネット異性紹介事業を行う者をいう。
ネットゲームは「インターネット異性紹介事業」ではないため該当しませんが、出会い系サイトと同様に利用し、被害にあっている事例が後を絶ちません。ネットゲームは、その性質上他の出会い系サイト等よりも青少年が多数存在します。そして、そのことに目をつけた大人が、出会い系サイトと同様に使っているのです。

ゲーム内アイテムや仮想通貨を渡すことを約束することにより呼び出したり、また、ゲームを利用し金品を渡すことを約束し呼び出すといった場合もあります。アイテムや仮想通貨ということで、より罪悪感が薄れてしまっている場合もありますが、援助交際と何ら変わりありません。


オンラインゲーム全般に係る問題ではなく、未成年者の保護はインターネット全般の問題でもあります。早急に広がるネット社会に対し、法的な整備・保護の体制も、社会的な受け入れの態勢も追いついていません。


SNSや匿名掲示板といった問題も別途ありますが、次回はシリーズ「RMTについて考える」 第5回「ネットワークと未成熟な子供達(下)」として、ネットゲームとRMTが未成年者に及ぼす影響について考えていきたいと思います。

2007.01.11 Thursday

シリーズ「RMTについて考える」 第4回「掴めない、金銭の入手方法とその行方」

 国内のRMT業者でつくる「RMT倫理協会(http://www.rmtethics.org/)」というものがあります。こちらには、RMT業者18社が加盟しております。※管理人が、RMTを勧めるものではありません。

 RMT倫理協会の運営理念(http://www.rmtethics.org/rinen.html)には、次の事項が記載されています。
 RMTの健全化を目指す - 目指す方向性

 ▼ノーマナー生産者の問題化
 仕入先確認(開業届け・謄本・納税証明書の提出を生産者に求める)
 上記のリスト化
 不正ツール、チート問題への取り組み
 中国人問題

 ▼RMTの違法性について
 ゲームメーカーとの付き合い。REAとして対話の場を積極的に作っていく
 業者身元の確認

 ▼オンラインゲームによる犯罪を防ぐ
 詐欺問題(REAにて初心者の保護)
 RMTに関する相談窓口の設置
 未成年者に対する啓蒙活動
 逆説的な書き方になりますが、RMTには上記の問題点を内包していることが端的に示されていると思います。

 未成年者に対する問題については、次回第5回「オンラインゲームと青少年(仮)」で記載したいと考えています。その他の事項については、少なからず過去のシリーズで取り上げてきました。

 前置きが長くなりましたが、第4回目の今回は「換金された資金の行方」として、RMTにより換金された金銭の行方について考えて行きたいと思います。なお、今回の記事は過分に憶測・推測を含みます。内容について、事実であると誤認されないよう、宜しくお願いします。


 RMT倫理協会の運営理念に掲載されている「仕入先確認(開業届け・謄本・納税証明書の提出を生産者に求める)」は、具体的にはどのような内容かについて考えてみます。

 RMTは、完全な無から金銭を生み出すことが可能な、極めて珍しい他に余り例の無い手法の一つです。

 生産業であれば初期投資、製造業であれば資材費、サービス業であれば人件費など、通常であれば事業を展開すると収入と支出双方の流れが発生します。そして、この流れを追求することにより、脱税であったり不正な資金の洗浄(マネーロンダリング)であったり、様々な経済犯罪を追跡することが可能です。

 RMTは、この資金の流れのうち、通常では難しい支出側の流れを消す事が簡単に可能です。家電量販店でパソコンを購入し、電気代やインターネット接続費を個人として普通に支払う。たったこれだけで、準備が全て整ってしまうからです。人件費についても、本人のみ若しくは副業として行うことや、他の業種で事業を行う傍らに行うことが可能なため、全く発生せずに行うことが可能な点もあります。

 次に、入手した仮想通貨を換金する場合について考えてみます。

 換金には、いくつかの方法が考えられます。口座振替が一般的ですが、現金書留や郵便為替、直接手渡し等様々な手法があります。換金手段は色々とありますが、法規制の無い現状においては全て匿名で行うことも可能です。

 換金可能な仮想通貨は「金の成る木」と表現しましたが、無から金を作り出す「錬金術」とも言えるかもしれません。

 この方法は、運営会社も行うことが可能です。自らで仮想通貨を作り出せるのですから、より単純に行うことが可能です。仮想通貨の作成を外部より把握することが困難な点は、前回記載したとおりです。

 換金された金銭の行方については、実質的に把握することは不可能になると思われます。出所不明の金銭として、あらゆる方法に使用可能です。海外への送金に利用することも可能でしょう。


 現段階で、仮想通貨の売買に対して法的な規制は行われていません。中古品買い取りの様な身分証明書の提示義務等も存在していません。仮想通貨をRMT業者に売り払うことは、小学生でも、不法滞在者でも、過去に逮捕の記事のあった留学生でも、だれしもが行うことが可能です。

 あくまで推測に基づく1例を挙げたに過ぎません。この様な事が実際に行われているかどうかについては不明です。

 既にRMTの経済規模は、お隣の韓国では1000億円とも言われています。日本は、RMTについては遅れていますが近い将来には同じ規模に達するでしょう。いや、既に達しているかもしれません。

 事態が深刻化する前に、何らかの対応が必要ではないかと考えます。


 シリーズ「RMTについて考える」 次回第5回は「オンラインゲームと青少年(仮)」についての予定です。

2007.01.07 Sunday

シリーズ「RMTについて考える」 第3回「見えない仮想通貨」

 シリーズ第3回目の今回は「見えない仮想通貨」と題して、仮想通貨とポイント・商品券との違いやその管理について考えてみます。

・「仮想通貨と商品券・地域通貨・ポイントの違い」
 仮想通貨、この連載ではゲーム内通貨を主に扱っていますが「仮想通貨とは、事業者が展開している仮想世界の店舗やゲーム内において、現実の通貨と同様に商品の購入・販売が可能な電子データ(数値)」の事です。通貨と同様に利用が可能な事から、そのように呼んでいます。

 現実世界の類似の物としては、単独の店舗において発行している商品券、商店街などで発行している地域通貨、家電量販店などのポイントが該当するのでは無いかと考えます。

 仮想世界で完結するものを仮想通貨。現実世界での商品の購入や役務の提供などを受けられるものは、それぞれの名称(商品券・地域通貨・ポイント)と区別出来るのではないでしょうか


「仮想通貨が換金可能」
 仮想世界で完結するものを仮想通貨。そのように書きました。現在、その仮想通貨の前提がRMTによって崩壊しています。仮想世界で買い物を行うために、仮想通貨が現実の金銭で頻繁に売買が行われているからです。

 昨年7月20日、大手オンラインゲーム「ラグナロクオンライン」の運営会社であるガンホー・オンライン・エンターテイメントの元社員が、在職中に行ったゲーム内仮想通貨の不正な作成により、不正アクセス禁止法違反で逮捕されました。(参考記事:Itpro 日経BP)
 この仮想通貨の不正作成により、おおよそ1400万円をRMTにより不正に取得したと発表されていますが、ユーザーの検証によると不正に入手した金額は、恐らくはこの額を遙かに上回るとの結果も出ています。

 仮想通貨が、換金可能なことが前提となり犯罪にも利用された今、何が仮想で何が現実か、そのことを改めて考える時期に来ているのではと思います。

 換金可能となった仮想通貨。それは果たして何なのでしょうか。

「見えない仮想通貨の管理」
 ゲーム内仮想通貨は、現在の発行数については示されていません。
 上記の仮想通貨不正作成事件についても、犯行期間はおおよそ半年間にも及びますが、その間誰も気が付くことは出来ませんでした。犯行によって作成された仮想通貨の総量は、ゲーム内に流通していた額の2割近くにも上ります。

 仮に、運営会社が意図的に仮想通貨を作成しRMTを行って金銭を入手していても、その事実は誰も把握することが出来ません。このことについては、別の記事で詳しく書きたいと思います。

 仮想通貨の発行には、当然の事ながら「現実世界に影響を及ぼさない」ので制限がありません。その前提が崩れた今、換金可能な仮想通貨は「金の成る木」としての利用すら可能です。

 最も、RMTが成り立つためには一定規模の仮想世界(ゲーム規模)が必要となります。仮想通貨の発行とRMTによる利用は、現在は行われていないと信じていますが、立派な経済活動であるということも可能かもしれません。

 前払式証票の規制等に関する法律というものがあります。これは、商品券やプリペイドカード等を規制する法律で、発行残高の報告や発行保証金による規制が定められているものです。

 仮想通貨が換金可能であるということを前提とした場合、上記の法と似たような規制が必要となってくるのかもしれません。


 仮想世界で完結するから仮想通貨であり、その発行や管理についても、現実世界に影響が無いことから厳しい規制が行われていません。仮想通貨を換金可能とした場合、運営会社に係る負担は非常に大きくなると思います。
 
 そして、ゲーム内の産物が全て金銭で図れるようになれば、それはもはやゲームではありません。娯楽としてのゲーム、これを大事にする方法を考えていかなければならないのではないでしょうか。


 シリーズ「RMTについて考える」 第4回は「換金された資金の行方(仮)」についてです。
 本シリーズの次回は、未定です。翌日かもしれませんし、1週間後かもしれません。
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