2007.02.24 Saturday

NHKで伝えきれなかったRMT問題の根深さ、ゲストの新 清士氏が語る(NIKKEI NET)

こんばんは、さくっちです。

2月22日に放送された、NHK「クローズアップ現代:過熱するゲーム通貨売買 〜仮想社会の錬金術〜」でゲストを務められていた新 清士(しん きよし)氏が、「NHKで伝えきれなかったRMT問題の根深さ」として、NIKKEI NET上にコラムを公開しています。

ソース元:NIKKEI NET NHKで伝えきれなかったRMT問題の根深さ【コラム】

このコラム冒頭で、次の様に述べています。
30分という限られた時間のなかで、オンラインゲーム内の仮想通貨やアイテムを現金で取り引きする「リアルマネートレード(RMT)」問題の全体像を伝えるのは非常に難しいことだった。今回は、番組中で私自身が時間の制約でコメントできなかったことを補足する形で、RMT問題が今直面している状況の一側面をお伝えする。

ゲストの方には触れないでおこうと思っていたのですが、補足記事が出ましたので触れさせて頂きます。

私は、生放送のインタビュー内で語られる言葉は、ネット上で公開される記事とは異なり、事前に内容の見直しや確認が出来ないため、よりその人本人の考え方に近いの内容になるのではないかと考えています。

放送中に「アングラ」といった一般的には理解されない用語を使用していることや、キャスターの方に補足説明を入れられる等、専門家が一般の方に対して説明を行う際の配慮が欠けてるのではないかと思っていました。

クローズアップ現代は、日頃インターネットに全く接しない方も数多く視聴する番組です。それらの方に対し、現状の問題を簡単かつ分かり易く説明することがゲストの役目ではないでしょうか。

私の様に、後日ネットに公開されたコラムを見ることが出来る人は、あの放送を見ていた中の極僅かです。

放送の短い時間の間に、出来るだけ多くの事を分かり易く伝えることが重要であり、後日の補足では殆ど意味が無いのではないではと思います。放送中に語って頂きたかった事を多数含んでおり、残念です。


このコラムの詳しい内容については、ソース元をご覧頂ければと思います。

RMTに対する大まかに纏められた問題点として
・サーバー上にある仮想的データに付加価値を見いだす価値観の一般化
・ゲームのルールでは禁止されているRMTの仲介サービスを提供する事業者の登場
・自動でキャラクターを操作する「ボット」と呼ばれるツールの登場とその高度化
・中国などから国境を越えて来るRMT業者の存在
・ゲーム会社単体では対応不可能なインターネットの仕組みの脆弱性
・ゲームへの嗜好に合わせて国ごとに異なるサービス対応
・仮想データを財産として扱うかどうかの位置づけが不透明な法律

上記の内容が語られています。(アカウントハッキングについても含まれています)

コラム内容に対して記事を書いていてはきりがなくなりそうなため、コラム最後の1点のみについて書きます。
 一つ重要な注意を付け加えておこう。最近の中国製ボットは、トロイの木馬といったウイルスが仕掛けられているケースが非常に多いと、米セキュリティー企業のウェブルートソフトウェアがリポートしている。しかも、米欧中心のウイルス検知ソフトでは解析されていないウイルスが多く、検疫できない危険が高い。

 ボットを利用することによってアカウントハッキングされ、ゲーム内アイテムを失う程度の被害であればまだいいが、クレジットカード番号などリアルマネーにかかわる重要な個人情報が盗まれる犯罪の新たな温床になりつつある。ネット上で配布されているボットを使うことは、かなりリスクの高い行為といえるだろう。

BOTの使用は、リスク如何に関わらず運営会社の規約では禁止されています。ですが、規約により禁止されているので利用すべきでは無いという視点では語られていません。

RMTやBOTといった規約に反した行為を行うべきではない、という前提では語られていない様に感じられます。


私は、仮想世界の独自性を保つためにも規約に従うことは重要と考えますが、新氏はどのように考えているのか、非常に気になるところです。

2007.02.22 Thursday

RMTの法規制に必要なもの 〜クローズアップ現代を見て〜

こんばんは、さくっちです。

2月20日、NHKクローズアップ現代「過熱するゲーム通貨売買 〜仮想社会の錬金術〜」が放送されました。

放送内容について掘り下げるより、何故あの様な放送になったのかという点について、私個人の考えを説明する方が重要と感じましたので、RMT全般の規制には何が必要なのかという点を織り交ぜながら、記載していきたいと思います。


最初に、私のRMTに関する考え方は「RMTの法規制に関する取り組みについて(骨子)」として、過去の記事に掲載しています。また、RMTに関する問題点全般については、シリーズ「RMTについて考える」の中で個人的に整理しています。こちらについては、長文となるため再掲致しません。よろしくお願いします。


是非、過去の記事をご覧頂ければと思いますが、私は「RMTの全面規制」を求めることは考えていません。

「問題となっている事項については、法整備や業界団体等の自主的な取り組み等により解決していく」

「全面的な規制ではなく、多様性確保の為に個々の仮想世界については、運営会社に判断を委ねる」

※法整備の過程において「RMTが禁止されている仮想世界においては、取引を法的に規制する何らかの手段を担保すべき」と過去の記事に記載しています。


ことが必要であると考えています。この点については、おおむね放送内容と同じであったと考えています。


よく「RMTを規制する法律は無い」という発言を耳にしますが、「規制をされてないなから何をやっても良い」ということではありません。

そのようなことになれば、世の中は法律でがんじがらめになってしまいます。

「公序良俗」という言葉があり、社会常識に反した行動は行わないように定められています。

では、「RMTは社会常識に反しているのかどうか」についてはどうでしょうか。

・多くのオンラインゲームゲーム利用者は、ゲーム上の不利益や問題点、規約違反を理由にRMT反対を訴える。
・しかし、オンラインゲーム利用者の中には、自己が所有するアイテムの売買を認めるべきだと声もある。
・運営会社は、経営上の不利益、ゲーム管理の困難、顧客満足度の低下等の原因として、RMTを禁止している。
・RMT業者は、オンラインゲーム上の仮想通貨には需要があり、また販売を行いたい利用者もいること等から、RMTを禁止するべきで無いと訴える。
・仮想通貨を作成する者(国内外に住む、規約に反した不正な利用者)は、法で規制されてなく、自らが金銭を得る方法であるため、RMTを規制すべきでは無いと訴える。

利害関係者の間では、上記の様な意見の対立が見られます。そして、上記対立を当事者間で解決することは、非常に困難なことだと思います。

残念なことですが、私は「RMTは社会常識に反する反しない以前に、一般的に全く認知されていない」という状態が現状と認識しています。この現状は、非常に厳しいものがあります。


法規制には「一般社会に説明可能な、合理的理由」が不可欠です。

一般社会とは、当然ながらオンラインゲーム利用者のみが対象ではありません。「クローズアップ現代」の視聴者層と重なるであろう、オンラインゲームそのものを知ることが無い人々が大半を占める社会です。この社会に対し「ゲームに係る問題で不利益を受けているので法規制を行ってください」と訴えかけることは、私は無理と感じています。

残念なことに、これだけゲームが普及しているにも関わらず、一般的に見てゲームの社会における扱いは決して良いものではありません。これは「ゲーム=子供が遊ぶもの・オタク・ニート」等という図式が、一般的に成立していることが問題と考えています。(社会的な見方としての話です)

この問題を解決しないことには、「ゲーマーが、ゲームで問題になっているから法規制をおこなえと言っている」という受け取り方をする人が大勢を占めると思います。

「たかがゲームに法規制? ゲーマーが何か社会常識に反することを言っている」と受け取られてしまい、正論であっても訴えることが逆効果になる恐れもあると考えています。



私は「ゲーム=子供が遊ぶもの・オタク・ニート」という図式を解決することは難しいと考え、RMTに関する取り組みでは、別の方向から検討を行っています。

それは、シリーズ「RMTについて考える」の中で過去にも述べていますが、

「未成年者のネットワーク犯罪」
「オンライン出稼ぎ、海外への不正送金」
「資金の流通経路が不透明」
「仮想通貨・資産の所有権帰属問題」等


の様な点であり、ゲームとは全く無関係な形においてもRMTには様々な問題があり、何らかの形で規制を行うべきと主張し、またそのための活動も行う様にしています。


目的がどのようなものであれ、RMTに関する法整備を進めていく過程においては、一般社会の理解と認知が必要となってきます。オンラインゲーム利用者のみでは、具体的な成果を出すことは出来ないと、私は考えています。

今回の放送内容は、RMTの一般社会に対する問題定義という観点から見た場合、良い内容にまとまっていると感じています。


現在、ゲーム内で問題となっているBOTについては、概ね2種類の目的のものが存在すると考えています。

一つは「仮想通貨目的」、もう一つは「キャラクターの育成目的」です。

上記に書いたRMTに関する法整備を進めることにより、「仮想通貨目的」のBOTについては、おそらく減少に向かうことと思われます。規制に伴い、海外よりのBOT等は困難になることが予想されます。

これは、RMTで問題となっている社会的な部分の解決を目指す過程で生じるものです。いわば副産物ですが、日頃悩まされているBOTへの解決策の一つにあたります。

こちらは、オンラインゲーム全般に関わる私個人の活動の一つです。実際に運営会社へ対抗する形ではない、別の方法でのゲーム改善に向けたアプローチになります。


今回の放送で、何かが劇的に変わることは無いと思います。ですが、RMTに関する問題点が、一般的に放送されたことで、今後何か活動を行う際には、問題点を主張することが容易になります。

また、これから先の取り組みについて考えていきたいと思います。

2007.02.21 Wednesday

放送後に一言

こんばんは、さくっちです。

クローズアップ現代を見た感想について、いくつか書きたいと思います。

まず、「ラグナロクオンラインの運営問題について」の報道を期待されていた方々には、非常に申し訳ない結果になってしまったことをお詫びします。

実際、もう少しゲーム内の問題についても触れる予定とは伺っていたのですが、その点については私も少々意外でした。もちろん、編集によって内容が変わる場合もあるとの説明は事前に受けていますし、取材を受ける上で私も了承しています。

放送前ぎりぎりに取材内容について公開しましたが、その中のラグナロクオンライン関係については殆ど取り上げられず、皆様に期待をさせてしまう結果となり申し訳ありませんでした。


取材を受ける、協力する理由でもある

「オンラインゲームをオタクの所有物「所詮ゲーム」として取り扱わず、広く受け入れられている趣味という観点で、社会的な視点から問題点について報道する」

という、事前にお約束を頂いた点については、おおむね守って頂けたと感じています。NHKの記者の方には、この場を借りてお礼申し上げます。

放送内容についてですが、既に様々な場所で話題となっていることと思います。

19時からのNHKニュースより続けて見られることの多い、「クローズアップ現代」の視聴者層に対する問題提議の番組としては、私は十分な内容であったと思っています。

無論、伝えたいことは山程あり放送時間は限られています。

私自身、運営会社の社員が仮想通貨の不正作成で逮捕された事例については、放送内容的にも盛り込むべきではなかったかと思います。(確定判決出てますので)

また、先にも書きましたが、利用者の声を伝える時間がほとんど無かったことも不満足な点ですが、タイトルが「過熱するゲーム通貨売買 〜仮想社会の錬金術〜」である以上、仕方の無い部分であったと理解しています。

そして、「ラグナロクオンライン」での不正取締りの光景は、「再現」とは言われていましたが疑問の残る内容でした。

実際にゲーム内において不正取締りを目撃したユーザーがほとんど存在しない(私も一度も目撃していません)ことや、運営会社自らが「ゲーム内での取り締まりは非効率であり、アクセスログ等を見て取締りを行っている」と公言していることなどから、運営会社は、実際に何の「再現」としてNHKに情報提供を行ったのか、非常に気になる部分です。


他にも、いくつもの気になる点はありましたが、それでも放送内容については十分であったと感じています。

これは、ネットゲームを行っていない、日常ネットもあまり利用されない方から、番組の感想を実際に聞いた内容です。

「何かおかしい、変なことが行われている」
「趣味とはいえ、ゲームに100万円を使うのは異常だと思う」
「中国人が出てきて、ゲームの中で何か変なことをやっている様に見えた」
「国内では逮捕もされているし、何か問題になっているのかな」


リアルマネートレード(RMT)に対して、深く問題として何かを理解している訳ではありませんが、「ゲームのお金をめぐって、何か変なことが行われている」という「RMTに対する違和感」は持っていただけた模様です。

私は、RMTという問題があることを、多くの方に頭の片隅にでも置いてもらえるだけで、今回は十分ではないかと考えています。


放送内容の掘り下げについては、明日の記事の予定です。

2007.02.20 Tuesday

放送前に一言

こんばんは、さくっちです。

本日19:30より、NHK「クローズアップ現代」で
過熱するゲーム通貨売買 〜仮想社会の錬金術〜

が放送されます。


放送前に、取材に協力したことや、私自身が取材を受けたことについて、いくつか述べておきたいと思います。

今回の放送・取材協力の際に、NHKよりお約束を頂いている点は、

「オンラインゲームをオタクの所有物「所詮ゲーム」として取り扱わず、広く受け入れられている趣味という観点で、社会的な視点から問題点について報道する」

ということのみです。


以下に、私が取材の際に話した内容について掲載しますが、次の点に注意してください。

「一番上に書いた点以外の約束は頂いていません」
「取材内容は"参考資料"です。放送内容とはイコールではありません」
「放送の内容は、編集権を持っているNHKが決定します」
「今回取り上げられない事項について、次回以降の報道が無いとは限りません」


今回の放送に関して、私がお約束頂いた点は、一番上に書いた1点のみです。

「取材内容=放送内容では無い。取材は多岐に渡って行われる」点についてご理解をお願いします。

また、放送直前まで取材内容を公開しなかった理由

「取材内容を公開することにより、自身に都合の良い点のみを取りだし、放送に対する先入観を持ち、実際の内容が異なる場合に"捏造"等と騒ぐ」

ことを避けるためです。こちらについても、是非考えていただければと思います。


私が受けた取材の中では、おおむね次の様な事を話しています。

・ラグナロクオンライン(RO) ユーザー連盟の話(デモ・内容証明など活動や背景全般について)
・ROで発生したアサシンギルド事件(運営会社ゲームマスターによるBOT解放事件)について
・戸枝事件について(ガンホー元社員による、RO仮想通貨の不正作成事件)
・ROゲーム内のBOT光景(プロンテラ下水2のBOT風景、首都プロンテラのBOT露天等)
・BotTracer通報支援システム。技術的にBOTを検知可能(蝿パケ等)な点について
・ROのBOTが何時頃から生息するかについて(β1から5年になります)
・ROアイテム販売に伴う、公正取引委員会へ不当表示の申告を行った件について
・未成年者の、オンラインゲームに関わる不正アクセスの逮捕件数と背景について
・経済産業省がポイント商法について研究会を立ち上げたことについて
・RMTに関わる問題点全般について(オンライン出稼ぎ・法制度の不備、不正資金の問題等)


上記は、NHKよりの取材に応じたもの、こちらより情報提供を行ったもの等です。他にも話している点はあるとは思いますが、今思い出せる事項は以上のようなものとなっています。


取材を受けた理由、協力した理由は「オンラインゲームをオタクのもの、所詮ゲームとして取り扱わず、社会的な観点から問題を報道」して貰えることは、オンラインゲーム全体に取って良いものと考えたからです。

このことが「運営会社への利益誘導」と言われれば、確かにその様な部分もあるかもしれません。放送に出演する企業にとっては良い宣伝機会となるでしょう。

「オンラインゲームをオタクの所有物「所詮ゲーム」として取り扱わず、広く受け入れられている趣味」として報道されることになれば、ゲーム参入への門戸が広がるかもしれません。

運営会社を敵視されている方々には不愉快かもしれませんが、どのような問題も「所詮ゲーム」「所詮ゲーマー」と片付けられる恐れがある現状があります。

このことを考えると、まずは問題点を広く放送して貰うことが重要だと思いました。


「オンラインゲームをオタクの所有物「所詮ゲーム」として取り扱わず、広く受け入れられている趣味」という観点で放送されることは、これから先、オンラインゲームの改善活動を行う場合にも利益になると思います。

最も、上記のことは、間違いなく私の思いこみ過ぎでしょう。
おそらくは、ごく普通の内容で終わり、さしたる影響も無いまま日常は経過すると思います。
それでも、何か事態の進展があればと思い、出来る限りの協力を行ってみました。


放送内容に対する問い合わせはNHKまでお願いします。
どのような取材を受けたか等、取材内容についてなにかお聞きになりたいことがあれば、BBSまでお願いします。

放送内容に過度の期待は禁物です。取材を受けた私も、その事に注意して番組を見ようと心がけています。
※私は、都合によりカメラ撮影を行うことが出来ませんでした。放送に出演することはありません。

2007.02.18 Sunday

2月20日(火)放送予定 狙われる“ゲーム通貨”〜追跡・ネット社会の錬金術〜(仮題)

こんにちは、さくっちです。

取材協力を行っていたNHKの番組ですが、20日に放送が決まりました。
以前より知っていたのですが、公式発表以前の公開は避けていました。

取材内容については、放送後、何か問題等があれば公開したいと思います。
放送前に、取材内容の公開は行いません。
これは、放送内容に対し、事前に先入観を持つことを避けるためです。(私の判断です)

申し訳ありませんが、ご了承ください。

以下、公式「NHK クローズアップ現代」より転載します。
2月20日(火)放送予定
狙われる“ゲーム通貨”
〜追跡・ネット社会の錬金術〜(仮題)

インターネット上の仮想世界で他のプレーヤーとチャット(会話)を楽しみながら競い合うオンラインゲーム。この世界で今、"錬金術"ともいえるカネのやりとりが問題になっている。ゲーム上の仮想通貨を現実の通貨で売買する"リアルマネートレード(RMT)"。売買を仲介する専門業者もこの1〜2年で急増。市場規模は150億円とも言われる。ゲーム通貨の購入に年間百万円以上使うマニアもいる。一方で、RMTをめぐる詐欺や不正アクセスなどのトラブルが多発。去年11月には、RMTで不正に稼いだ2億円を中国に送金していた留学生が熊本県警に逮捕された。中国人による同様の事件は他にも起きており、資金の一部が犯罪組織に流れているという指摘もある。ネットの世界で過熱する知られざる錬金術の実態に迫る。
(NO.2371)

スタジオゲスト : 新 清士さん
    (立命館大学講師)
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